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2005/11/27更新
下の写真のような顕微鏡が、実体顕微鏡(じったいけんびきょう)です。
双眼実体顕微鏡とかビノキュラー(=双眼鏡)とか呼ばれることもあります。Stereo Microscopeという表現がどんな物かをよく表しています。
機種によって倍率はいろいろですが、6倍〜70倍程度のものがあるようです。
左右が独立した顕微鏡なので、立体視ができます。
←最近入手したミツトヨ製の双眼実体顕微鏡。ネットオークションで比較的安価に入手できました。ニコンやオリンパスに比べたら、知名度が低いメーカーですが、しっかりした作りで好感が持てます。 型番の表示がないのですが、わりと新しい機種かなと思います。接眼10倍、対物1〜4倍のズーム式。さらに1.5倍の補助対物レンズが付いていて、15〜60倍で使用できます。落射照明は、鏡筒支持部に電球用のソケットが付いていますが電球はなく、補助対物レンズの枠にリング型蛍光灯が固定してあります。見た目はともかく、この方が影ができにくいし、見やすいのかも。土台部には透過照明も内蔵されているタイプで、いろいろ活用できそうです。(2005/11/27) (参照) (株)ミツトヨ |
実体顕微鏡では、物の表面の凹凸がよく分かるのが良いところです。
どんな感じかというと・・・次の写真をご覧下さい。
左の接眼レンズの視野と右の接眼レンズの視野を撮影して並べました。
いわゆる「ステレオ写真」になっていますので、
左右の画像が重なるように見ると、立体的に見えます(平行法でご覧下さい)。
これは、ウマゴヤシという植物の実ですが、立体的に見えたでしょうか・・・?
このように、物の表面を立体視できることが、この実体顕微鏡の特徴です。
生き物の観察や精密な工業製品の組み立てや検査などに広く用いられています。
ニコンの携帯用実体顕微鏡「ファーブル・ミニ」。 市販の実体顕微鏡では、もっとも安価なクラスですが、よく見えます。倍率は20倍固定です。鏡筒部をくるっと回転させてコンパクトに収納できます。ケースを含めても500g弱ですので、気軽に持ち運べて重宝しています。また、防滴タイプなので、野外での使用にも向いています。 内蔵照明がないので、小さな懐中電灯を針金で固定して使っています。 |
『光学機器大全』吉田正太郎著、誠文堂新光社(2000)の中に面白い記述が載っていました。
「対物レンズが接近しているタイプの小型双眼鏡の前に色消しレンズを置くと、双眼顕微鏡になります」
・・・これはさっそく試してみよう。色消しレンズは持っていないけれど、大きめの虫ネガネだったら持っています。とりあえず、これで実験してみると・・・、
見えますね。確かに実体顕微鏡代わりになります。色消しレンズでないので、色収差が気になりますね。双眼鏡の対物レンズに合った大きさの同じ凸レンズが2枚あれば、双眼鏡は、双眼実体顕微鏡に早変わりですね。
ピントの合う範囲(=被写界深度という)が浅いので、なにかの台に固定した方がいいかもしれません。
双眼鏡でなくてもいいわけですね。単眼鏡でも同じことです。要するにクローズアップレンズを付けた状態なんですね。これで15倍くらいの倍率かな。虫メガネの代わりにルーペに押し付けると、さらに倍率がアップします。色消しタイプのクローズアップレンズなどがあれば、さらによく見える顕微鏡が作れそうです。
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