●K-mal's HP小さな世界を覗いてみよう >双眼鏡で虫を見る

双眼鏡で虫を見る

〜ペンタックスの双眼鏡、Papilioの紹介〜

 最近、面白い道具を手に入れました。ペンタックス製の双眼鏡、Papilio (パピリオ)です。この双眼鏡、最短50cmから無限遠までピントが合うのが特徴です。今までにもギャラリースコープなど、単眼の近距離望遠鏡はありましたが、双眼鏡での立体視はやはり違います。対物レンズは直径21mm。このクラスの双眼鏡としては低倍率の6.5倍のモデルと標準的な8.5倍のモデルとがラインナップされています。どちらを購入するか迷いましたが、ここはより視界の広い低倍率のモデルを選択しました。

 ネットの通販で購入しましたが、届いた双眼鏡は、写真を見て想像していたよりもやや大きめでした。近くまでピントが合うようにするために、レンズの繰りだし幅が大きいことによるようです。近くにピントが合うようにすると、対物レンズの間隔が小さくなり、適度な立体感で観察できるように工夫されています。
 実際に比較したわけではありませんが、こちらのモデルの方が明るく見えるはずで、天体観察用や野鳥観察用などにも使いやすいのかなと思っています。

 さて、1m以内でピントが合うということは、今までにできなかった使い方ができそうです。いろいろ試して使い道を広げたいと思います。 メーカーのWEBサイトの紹介に「近寄って蝶などを観察したいというニーズのもとに開発され・・・」とあるように、小さな虫の観察に適していると思います。

 今までの双眼鏡では、2〜3m程度の距離からしかピントが合いませんでした。
 野鳥観察でもそうですが、見たい対象をまず肉眼で探してから、視線をそらせずに、眼と対象物の間に双眼鏡を割り込ませて使います。でも3m先にいる小さな昆虫を肉眼で探すことは困難ですね。これが1m先なら、なんとか小さな虫も肉眼で探せそうです。1m以内でピントが合うということは、小さな虫の生態観察に適しているわけです。自分の足もとにもピントが合います。地面際の自然観察が、楽な姿勢で行えます。

 まだ、あまり活用できていないのですが、使用にあたっては、小型の自由雲台を付けた軽い三脚を一緒に携帯することをお勧めします。雲台によっては、取り付け用のアダプタが必要かもしれません。三脚は、伸ばして自分の眼の高さになる物がいいですが、携帯性を優先させて、もう少し小さくてもいいです。地面に座った姿勢で、眼の高さに固定できたらいいでしょう。視野を固定して、みんなで楽しむためにも必要ですね。

 アリの行列の観察が面白かったです。長時間の観察も楽な姿勢で可能です。近づくと逃げる虫も1m程度の距離をあけると自然な仕草を見せてくれます。見ていて飽きませんよ。ファーブルの時代にこれがあったら、どんな発見がなされたことでしょうか。 また、植物の観察用にもよいです。近距離で拡大するとピントの合う範囲(被写界深度)が狭くなるので、背景がボケます。うるさい背景がなくなるので、観察対象がきわだって見えるのです。野草の小さな花など何気なく覗くと、まるで絵はがきの写真のように美しく見えます。


左:三脚と座布団とPapilio。小型の自由雲台なら直接ネジ止め可能です。
中:石垣に生えている草や昆虫などをゆっくり、じっくり観察できます。
右:視野の様子。小さな花(ムラサキサギゴケです)も大きく、細部まで観察できます。デジカメを押しつけて撮影しました。

<以下も参照ください>

●近距離の対象物も見やすいコンパクトタイプ双眼鏡『 PENTAX Papilio (パピリオ)』シリーズ

●Amazon.com(PENTAX Papilio 6.5×21 双眼鏡)

(公開:2005/06/12、更新:)

●K-mal's HP小さな世界を覗いてみよう >双眼鏡で虫を見る