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ちょっと身近なものではないかも知れませんが、ご紹介。
早春の涼しさの中、奈良県南部の渓流中で見かけた藻類です。緩い流水中の岩に生えていて、手ですくうと、モズクみたいにヌルヌルしています。透明の粘液をまとっています。デジカメで目一杯接写したら、所々に枝分かれした部分があるのが判ります。もしかして、これが有名な(?)カワモヅクか?と持ち帰って、顕微鏡で観察。どうも違う・・・。
友人のコケ屋さんK氏が持っていた『福井県植物図鑑X』福井のコケと地衣・[補遺](平成13年3月発行)によると、ツルギミドロ(Draparnaldia plumosa)という、カエトフォラ科のものみたいです。水のきれいな清水・湧水域に見られる種類なんだそうです。
自宅に帰って『日本隠花植物圖鑑』を眺めると、緑藻類の中の Draparnaldia glomerataとして載っているものにも似ています。
写真左:渓流の水中で、岩に生えている様子(2005/05/14、奈良県上北山村)。
中:デジカメで目一杯寄って接写した写真の一部(トリミングした)。
右:チャック付きのポリ袋に入れたまま顕微鏡で観察しました。樽型の細胞が連なった軸に樹枝状の枝分かれが所々に見られます。なかなかキレイ。
公開:2005/05/20 /更新: