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オタマジャクシの居た付近で、川底の石に付いている微生物を調べようと思い、採集してきました。小瓶に水道水を入れ、バットと歯ブラシを手に、川の石ころをゴシゴシしている様子は、かなり怪しい姿だった気もします・・・。写真右の濁った水を観察します。
さて、
オタマジャクシの糞を観察していたので、顕微鏡で見ると予想通り、珪藻がたくさん見えました。しかし、珪藻などの周囲に何やら螺旋状の動きの早い物が蠢(うごめ)いているのが気になります。もしやこれは、あの「スピロヘータ」では! 教科書に名前やイラストが載っていたし、変な名前は印象的ですから、覚えていました。しかし、手持ちのプランクトン本には、さすがに細菌類(=バクテリア)の解説は無いようです・・・。
スピロヘータは、らせん状の形をした細菌類の一群。動画で撮ってみたけれど、動きが早いこと・・・。
川の石の表面はヌルヌルしてます。これをブラシでこすって落とし、顕微鏡で観察したら、いろいろな付着性の微生物が観察できます。やはり、珪藻類が多いですね。しかし、他の微生物も見つかります。こういう付着性の微生物は、プランクトン(=浮遊性生物)と呼ぶのはまずいような気もしますが、まあいいか。
写真左:スピロヘータは、プレパラートの中で列状に集まることがあるようです。何枚かプレパラートを作ったけれど、みんなこんな風に「スピロヘータの天の川」ができました。スピロヘータにはいろんなサイズのがいるようです。
中左上:ツヅミモの仲間。コスマリウム属の1種。
中左下:繊毛虫の1種。
中右:珪藻の1種(下)は生きていると中身があって、殻の模様は見づらいです。藍藻の仲間(上)細胞が田の字型に並ぶのが面白い。
右:出ました。アメーバの仲間、ナベカムリ属の1種です。丸い半球状の殻を持っています。穴から透明な擬足(ぎそく)を伸ばして、ゆっくり動きます。
これらの他にも、いろんな形の珪藻類、繊毛虫類やフタヅノクンショウモなどが見つかりました。川底の小石の表面にも微生物の豊かな世界があるものですね。
<参考になるサイト>
公開:2006/07/20 /更新: