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まだ少し雪も残っている2月中旬、奈良県川上村のとある谷筋にコケ観察に出かけました。同行のK氏に解説してもらいながら、谷筋を歩きます。湿った法面にコケがたくさん生えています。小さなコケは、本当に種類が多くて、素人の私にはあんまり区別が付きません。手のひらくらいの面積でもよく見たら何種類ものコケが見つかるような世界。紹介してもらったコケの中で印象に残った名のコケが、このムクムクゴケでした。前にも何度か見ていたし、軟らかそうな葉の様子で比較的区別しやすい種類かな。変な名前ですが、ちゃんとした標準和名ですよ。
ムクムクゴケは、コケの中でも苔類(たいるい)と呼ばれるグループに属します。同じ苔類に属するゼニゴケなどは、教科書にも登場するので、名前は聞いたことがある人が多いでしょう。でも、ムクムクゴケはゼニゴケとは全然違った感じです。
写真左:肉眼で見た様子。ヒノキの葉みたいな分岐で、軟らかそうな質感です。
中左:ルーペで見たら、こんな感じです。
中右:実体顕微鏡の落射照明で見たところ。葉状に見えた部分には、細かな毛がビッシリで、ビロードっぽい感じです。
右:さらに生物顕微鏡で拡大。葉状の先端部です。こんな風に細かな作りになっているんですね。何となく水中に生える緑藻類のような雰囲気ですね。切れ込んだ葉の隙間には水分をため込むのでしょうか。
<参考になるサイト>
▼苔類(Wikipedia)
苔類の概説があります。世界に8000種、日本に620種・・・。日本はコケ植物の豊富な地域なんですね。
公開:2006/03/06 /更新: