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珪藻土というのを以前もらって、どこにしまい込んだのか忘れておりました。年末に小物の整理をしていて見つけました。そういえば先日、大阪市の自然史博物館で「ケイソウのしらべかた〜小さな生き物・身近なはたらき〜」(野尻湖ケイソウグループ著、地学団体研究会2000年2月発行)という小冊子を買ってきていたっけ。さっそく顕微鏡で観察してみました。
写真左:低倍率での視野。丸い珪藻が見えています。プレパラートは、スライドグラスに珪藻土をほんの少し蒔いて、カバーグラスをかぶせて、セロテープで2カ所留めて固定しただけの「ドライマウント」です。
中:おでんのダイコン輪切りみたいに見えます。
右:さらに拡大。放射状にならんだ模様が美しいですね。「ケイソウのしらべかた」で絵合わせしたら、海水棲の円心類、アクティノキクルス属(Actinocyclus)の殻みたいです。
ところで、珪藻土って壁材などの建材に使われるほかに「七輪」などにも使われているそうです。古い七輪なら、家の倉庫にも転がっています。ところどころ欠けたり、崩れたりしているので、破片を顕微鏡で見てみることにしました。
写真
(1)倉庫にあった七輪。かなりボロボロです・・・。
(2)収納してあった箱の底には、七輪の粉になった破片がありました。これを今度は水で封入してプレパラートを作りました。
(3)低倍率の視野。簡単に珪藻の殻片が見つかりますが、割れたものが多いですね。根気よく探せば、海産のプランクトンの残骸などがいろいろと見つかるようです。
(4)たぶん珪藻の1種。
(5)珪藻の1種
(6)これは黄色鞭毛藻類の骨格かなと思いましたが、違うような気もすます。特徴的な形だけど、手持ちの資料では分からず、正体不明。
(7)海産の円心目珪藻の1種かな。
(8)ツツガタケイソウの1種かな。
珪藻土の観察では、死んで化石になった殻を観察していることになります。ガラス質の珪藻の殻は、腐らずに化石になりやすいのでしょうね。生きている珪藻では見にくい殻の造形を手軽に観察できるので、七輪の破片の観察はオススメです。
公開:2006/01/02 /更新: