●K-mal's HP >小さな世界を覗いてみよう >観察例目次
クスノキは、関東地方以西の社寺や公園や校庭などに普通に見られる常緑の広葉樹。古くから防虫剤「樟脳(しょうのう)」の原料とされ、葉を取って揉むと、防虫剤のニオイがします。
さて、ツヤのある葉は、葉脈の走り方にも特徴があります。
葉の基部付近で脈が左右にわかれ、中央の主脈と共に、3本の葉脈がやや目立つ形になります。この葉脈の別れ際に小さな「ふくらみ」ができているでしょう? ここを葉の裏側からルーペや顕微鏡で観察してみましょう。
ルーペで見ると、このふくらみには、入り口の穴があります。
さらによく見える実体顕微鏡では、穴の中などに小さな動物がいることが見えるかもしれません。実体顕微鏡をのぞきながら、この動物だけを毛先の細い筆などですくい取って、顕微鏡で見ると、写真のようなダニの1種であることがわかります。
植物に寄生する「フシダニ」の1種なんだそうです。
たった1枚の葉の小さな穴の中にも、生き物の世界があるのですね。
しかし、すべての葉にいるとして、一体何匹いるのやら。。。
2004年7月13日撮影
上左:クスノキの葉。
上中:葉脈の枝分かれ部分に小さなコブがある。
上右:コブの部分を裏から見ると、穴が開いている。
下左:ルーペで見ると・・・白っぽい粒が付いているみたい。
下中:実体顕微鏡(または顕微鏡の低倍率で)見ると・・・なにか動くのがいる!
下右:顕微鏡で拡大すると、こんなヤツです。小さいですね。
公開:2005/03/01 /更新: