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2005年12月11日、奈良県南部の行者還林道周辺の渓流にて冷水中に生えていた糸状の藻類と思われる藻を少しだけ採ってきました。同行していたTさんによると、冬季になると渓流でよく見かける物なんだそうです。寒波がやって来ており、積雪が20cm程度あって、非常に寒かったです。野生動物の観察などがメインの目的で訪れましたが、雪のおかげで鳥獣の足跡などがいろいろ見つかりました。
写真左:藻類の生えていた渓流の様子。雪が積もっていてとても寒かった・・・。
左中上:チャック付きポリ袋は水物の採集に便利。
左中下:実体顕微鏡で観察。糸状の藻類に見えますね。
右中:拡大すると、細胞壁のカッチリした細胞が連なっています。葉緑体らしきものがあります。
右中上:中に変な形の細胞を発見。最初は水生菌類の胞子かなとも思いましたが・・・どうやら違うようです。
右中下:やや斜めの角度からの見え方。どうやら糸状の藻類の細胞の断面が見えていることがわかりました。細胞の断面は細長い楕円状で、細胞の連結部にハシゴ状の構造があるようです。
さて、これは藻類のどのグループなんだろう?
いろいろ本を見ると、緑藻や藍藻の類ではなさそうです。細胞の形状が楕円筒状であることなどから、どうやら珪藻の仲間のイタケイソウ属の1種らしい(Diatoma属、Diatoma mesodonと言うのに似ている)と分かりました。
公開:2005/12/11 /更新: