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公開:2008/09/13 /更新:

アオマツムシのヤスリの観察例


 8月末、部屋にアオマツムシが迷い込んできました。窓を閉めても大きな鳴き声が響くので
入ったなぁと思っていたけれど、なかなか見つからないので、あきらめて放置してました。
しばらくすると鳴かなくなったので、息絶えたかなと思っていたら、
やっぱり干からびた死体が部屋の隅から見つかりました。
 せっかくなので発音器官をちょっと観察しました。




 コオロギの仲間であるアオマツムシの発音器官は、翅にあります。
「ヤスリ器」と「摩擦器」という部分とがあるらしいです。
ちょうどギロという楽器みたいにギザギザをこすって振動させます。
その振動を翅の膜で共鳴させて大きな音を発する部分を「発音鏡」と呼ぶらしいです(図参照)。
 注:ヤスリ器を鑢状器(ろじょうき)、摩擦器を絃部(げんぶ)、
発音鏡を鏡膜(きょうまく)と呼ぶ資料もありました。
コオロギ類は左右両方の翅にこの3つが揃っているようです。




 ヤスリ器を顕微鏡で観察すると、ほんとにヤスリ状になっていました。
ちょっと感激です。以前にルーペでは観察したことがあったのだけど、
やはりこのくらいの倍率(40倍)で見るとよく分かります。





さらに拡大(200倍)。ヤスリの突起の並びがはっきり見えます。
翅にもけっこう毛が生えていることも観察できます。


 こんな小さな体で、人を寝不足にできるほど大きな音を出せるとは、大したものです(笑)。
発音効率は相当にいいんでしょうね。スピーカーや楽器に応用できたら、
凄い物が出来るのかなと思ったりしました。

<参考になるサイト>

▼秋の鳴く虫―コオロギとキリギリスはどこが違う?

▼コオロギ類の音声と発音器の構造の関係

▼フィールドレポーター調査報告>アオマツムシは鳴いていませんか

▼ウィキペディア>アオマツムシ

▼Amazon>バッタ・コオロギ・キリギリス大図鑑


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